グローバルに推進するITの標準化
アステラス製薬は、2005年4月に旧・山之内製薬と旧・藤沢薬品工業の合併により発足した日本を代表する製薬企業だ。
既存の重点疾患領域である泌尿器、がん、免疫科学、腎疾患、神経科学に加えて、新たな疾患領域として筋疾患および眼科への参入や新技術・新治療手段を活用した創薬研究にも取り組んでいる。さらには各種の医療・ヘルスケア事業との融合による自社の強みを生かした新たな価値創出にも挑戦している。また今日では、新興国を含む50以上の国と地域に拠点を構え、海外売上比率が6割を超える“日本発のグローバル製薬企業”へと発展・成長を遂げている。
そんなグローバル企業のアステラス製薬では、IT部門を単なる間接業務部門の一つとは見ておらず、ビジネスを支える戦略部門として位置づけられている。
「我々IT部門は、このビジョンの実現をITの側面から支えるべく、『Digitalization』『Simplification』『Globalization』の3つを柱にビジネス部門の価値向上とイノベーションに資する活動を展開しています」(アステラス製薬 情報システム部 ITインフラグループ 課長 川田 康将氏)
そのIT部門が近年、積極的に取り組んでいるのが「グローバルなITの標準化」(以下、「グローバル標準」と呼ぶ)だ。
「これまでは地域ごとのITインフラをベースに標準化できる部分を標準化するというスタンスで活動していました。しかし現在は、特別なニーズがない限り基本的にすべてを標準化するというスタンスへと変更しています。これを基にIT部門もグローバル組織として再編し、運用委託ベンダーの標準化も完了させました。さらにビジネスアプリケーションの土台となるインフラのグローバル標準化を進めるために、2010年のActive Directoryによる認証基盤の標準化を皮切りに、PCの標準化、メールシステムの標準化などを実施しています」(アステラス製薬 情報システム部 ITインフラグループ 課長 齊藤 啓一氏)。
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