依然として問い合わせ窓口に欠かせない「電話」
テクノロジーの進化に伴い、ビジネスコミュニケーションの手段は多様化している。電子メールはもちろん、WebサイトやSNS、チャットといった手法も一般化している現在は、問い合わせ窓口をはじめとする顧客接点のマルチチャネル化に対応することが、企業のミッションになっている。
この状況でも、依然として重要なツールとなっているのが「電話」だ。例えば顧客や取引先からの問い合わせに対応する場合。Webやメールでは複数回のやり取りが必要なケースでも、双方向のコミュニケーションが行える電話であれば1回で対応できる。微妙なニュアンスを伝えることも容易なので、認識のズレによる再連絡の手間や時間も省くことができるだろう。
ただ一方で、この電話を支えるインフラについては、ビジネスの現状にフィットさせられているとは言い難い。具体的には、メールやSNSでは当たり前の「社員の居場所によらず、柔軟に対応できる」環境を、電話で実現できている企業は少ないのだ。これにより、担当者不在による問い合わせ対応の遅延といった状況が起こっている。
そこで今回は、この点にいち早く気付き、シンプルな方法で最適な電話環境を構築した企業の例を紹介する。それが、焼酎「白岳」で知られる高橋酒造だ。
熊本の南部、人吉・球磨の地域で、1世紀以上にわたって本格米焼酎を製造してきた高橋酒造。「いい米、いい水、いい人で。」をテーマに、球磨焼酎ブランドを守り続けている。そのための拠点としては、本社と本社工場、多良木工場、白岳酒造研究所、球磨焼酎ミュージアム「白岳伝承蔵」、熊本営業所、福岡支店と、計6拠点を展開。同社は、これらをシームレスにつなぐ内線・外線電話網を実現した。
その取り組みの詳細を、次ページ以降で見ていこう。