10年前のERPパッケージが、グループ経営推進に向けた足かせに

 ある専門商社が、海外子会社も含めたグループ経営管理基盤とガバナンスの強化を図るため、抜本的な構造改革に乗り出した。

研光通商株式会社
執行役員 経営企画室長
松田 仁氏

 その専門商社の名前は研光通商。化学工業薬品やチアシードなどの健康・栄養補助食品を得意とする企業だ。日本だけでなく、米国、ドイツ、インド、中国など国内外8カ所の拠点を軸にグローバルビジネスを展開している。同社は創立50周年を迎えた2015年から、経営管理基盤強化に向け、構造改革に着手。その背景について、同社執行役員 経営企画室長の松田 仁氏は次のように説明する。

 「業務の属人化と商材の多様化が進むなか、変化の激しい経営環境に俊敏に対応できない非効率な業務プロセスや情報活用の遅れが散見されるようになってきました。その背後には経営情報を管理するシステム面での課題もありました。当社では十年ほど経過した国産ERPパッケージを基幹システムに利用していましたが、経営課題を議論するための分析レポートを作ろうとすると、ERPで生成したデータを表計算ソフトなどで加工する手間がかかり、月次データの実績レビューまでに約1カ月を要していました。経営陣の迅速な意思決定を支援できないことに加え、オンプレミスのシステムでセキュリティや運用保守にも負担が大きかったことが問題となっていたのです」

 そこで同社は、企業の継続的な成長に向け、属人的で煩雑だった業務プロセスを見直しながら、経営に関わる迅速な意思決定と、業務の標準化・自動化を支援する新しいシステム検討に着手した。予算や人材、期間が限られる中、新たな仕組みをどのように導入していったのか。次ページ以降で、その選定過程やプロジェクトの実際、導入効果などを紹介していく。

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