「見えない運用不安」が現場業務の泣き所になる?

 端末やネットワーク、クラウドといったテクノロジーの急速な進化により、企業システムは場所の制約を受けにくくなった。建築現場や保守業務、製造業の拠点や小売の店舗などにおいて、本社や大規模拠点と同じアプリケーションを活用しているケースも多いだろう。

 しかし、課題も残されている。それが「見えない運用不安」である。現場の業務にそうした仕組みが組み込まれた場合、そのアプリケーションがきちんと動くことが業務の前提となる。逆に止まってしまえば、現場側の業務がストップする可能性があるわけだ。トラブルが多発すれば、業務の継続性に関するリスクが高まる。これが見えない運用不安だ。つまり、安定的な業務運用を行うには、信頼性・可用性をどこかで担保しなくてはならない。また最近では大量のデータを扱うこともあるため、現場の使い勝手を考えれば、高いパフォーマンスを維持することも大事な要件といえるだろう。

 現場へと拡張するシステムに信頼性・可用性をもたせると同時に、使いやすさをいかに追求するか。こうした課題に挑戦し、大きな成果を上げることに成功したのが、ネットワークカメラ/メディカル分野向けソフトウエアの開発を手がけるネットカムシステムズだ。

 同社の主力商品の1つである乳腺画像診断ソリューション「mammodite(マンモディーテ)」は、開発着手からわずか4年で全国130以上の医療機関に260台以上の納入を達成。その大きな成功要因が、「速くて」「止まらない」「使いやすい」システムへのこだわりだ。

わずか4年で全国130以上の医療機関に260台以上納入されたmammodite
わずか4年で全国130以上の医療機関に260台以上納入されたmammodite
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 「今や乳がんに罹患する女性は12人に1人といわれており、早期発見・早期治療の重要性が強く叫ばれています。正確で素早い診断を行うには、画像読影を行う先生方がストレスなく活用できるシステムが欠かせません」と同社で取締役を務める原野 武史氏は話す。

 製品開発に際しても、現場の医師や技師の声を徹底的に収集。その結果、わかりやすいユーザーインタフェースや大容量画像の高速表示機能、強力な所見レポート機能、専用キーパッドなど数々の独自機能を実装することに成功した。

 「もちろん医療現場で利用されるものですから、安全性や性能・信頼性についても極めて高いレベルが要求されます。現場で重要な検査を実施しているだけに、システム停止はそのまま『医療の質の低下』につながります。そこで、ソリューションの中核を支えるハードウエアには、ワークステーションを活用することにしました」と原野氏は話す。

 同社では具体的にどのような仕組みを構築することで、高性能・高信頼な現場環境を実現したのだろうか。

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