わずか1年で命運が分かれた2社の例

 「技術力も営業力も大きく違わないのに、なぜあの会社はいきなり成長し始めたのか?」――。中堅・中小企業に勤める多くの人が、このような疑問を持った経験があるのではないだろうか。それまで売り上げや利益が横並びだった企業同士が、あるときを境に大きな差がつき始める。ライバルに出し抜かれ、悔しい思いをした人は少なくないはずだ。

 多くの場合、その背後にはITが関わっている。特に中堅・中小企業の場合、飛躍的な成長を実現するカギになるのが「ERP」だ。

 ERPといえば、これまでは大企業が使うものというイメージが強いソリューションだった。だが現在は、決してそうとも言い切れなくなっている。今回は、以下2つの企業のケースを基に、ERP導入の最新事情を見ていきたい。

■A社
売上高60億円、従業員数200名、情報システム担当者3名、IT年間予算6,000万円
■B社
売上高45億円、従業員数150名、情報システム担当者3名、IT年間予算5,000万円

 地方の独立系部品メーカーである2社は、いずれも高い技術力や現場対応力で、取引先や関係会社から大きな信頼を集めている。一方、取扱製品はもちろん、従業員数や売上規模も似ているため、良きライバル同士として競争を続けてきた関係でもある。

 同じくERP導入を検討していたこの2社は、最近、収益に大きな差がつき始めているという。その原因を、次ページ以降で紹介する。

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