膨大なデータ、複雑なシステムでバックアップ運用が困難化
「データは新たな石油である――Data is the new oil.」と言われるように、現代の経済活動において、データの価値が高まっている。もし何らかのトラブルにより、データが使えなくなったとしたら、業務遂行に大きな影響が出るだろう。そのため万一の事態への備えが必要になる訳だが、企業や組織が保有するデータ量が増加の一途を辿っている状況の中、安全かつ効率的なバックアップ運用を実現するのは簡単ではない。
また、仮想化技術導入によるシステム基盤の多様化も問題の解決を難しくしている要因の1つ。これらのことから、例えばバックアップに時間がかかり、その間はシステムが利用できないということが起こり得るのだ。もちろんオンラインを止めて整合性のあるバックアップを取ることは重要だが、そのためにシステムやデータの活用が制限されては元も子もない。
日本初の4年制教養学部一学部大学として発足し、今日では国内におけるリベラル・アーツ教育の先駆者として知られる国際基督教大学(ICU)も、まさにそのような課題に悩まされていた組織の1つだった。しかし、現在では課題をすべてクリアし、効率的なバックアップ運用を実現している。
一体どのような対策を講じたのか?
その答えを紐解くため、ここから先は同校の取り組みを具体的に紹介していこう。
あらゆる経済・企業活動において、データ活用が求められる現在、効率的なバックアップシステム構築の成否が組織運営や経営を左右する。是非、本稿から成功のヒントを見出していただきたい。