働き方改革を始めようとしている企業が増えてきたが、そのすべてが成功しているわけではなく、プロジェクト途中でうまくいかずに悩んでいる企業も多い。スムーズに働き方改革を実現させていくためには、どのような点に注意し、どこが重要なポイントなのだろうか。
働き方改革について、ネットワールド 情報システム室 室長の盛永 昌二郎氏に意見を求めると、「我々は、2000年から営業部署とマーケティング部署にノートPCを配布し、リモートアクセス環境を整備し、いつでもどこでも仕事ができる環境を提供してきました。外勤の社員については、すでに在宅も可能なリモートアクセスの文化が浸透しており、ある意味において、働き方改革は実現しています」と話している。外勤の営業やマーケティングの社員は、自由に直行直帰できる文化が形成されており、現場主導で能動的に働く体制が整えられているというのだ。
一方で、ここ数年でネットワールドが取り組んでいるのは、内勤社員の働き方改革だ。さまざまな取り組みを行っている中で、働き方改革を実現させるポイントを盛永氏にうかがうと、次のような答えが返ってきた。「まずは、何のために誰のために働き方改革を行うかを明確にしなければなりません。ここに理由がなければ、働き方改革を行う意味はありませんから。次に、短期ではなく2~3年と長めのスパンで考え、少人数でローコストでもよいから、まずはとにかく実践していくことから進めていくことが重要となります。在宅で仕事ができる環境をつくることだけを意識しすぎて、リモートアクセスやVDI、セキュリティなどから導入を大きく考えていくケースが多いと思いますが、まずは対象となる社員がなぜ会社に行かなければならない理由を考え、その課題を一つ一つ解決していかなければ働き方改革は進められないと思います。そのためには課題を見つけるための早い実践が最も大切になります」。