なしくずしに広がっているシステム利用環境、そこは死角だらけ
SaaSやクラウドはもう日常環境の一部、そう感じているビジネスユーザーは多いことだろう。営業日報や提案資料はネットワークの向こうにしかないと言われても、それはもう驚くべき話ではない。しかし、そこへのアクセスは社内システムと同じぐらい安全だろうか。また、快適だろうか。
社内であればアクセス制御環境はたいてい整備されているため、ひとたびログインすればあらゆるリソースにセキュアかつスムーズにアクセスできる。しかし、SaaSやクラウドを使うとなると、その都度ID/パスワードを入力する運用になっていないだろうか。そうなるのは、アクセス制御がクラウド側まで連携されていないからだ。「生産性が落ちる。何とかならないか」というユーザーの声がIT部門にも届いているかもしれない。日本CA株式会社 セキュリティ・ソリューション営業部 シニア・プリンシパル・コンサルタント 楠木秀明氏は、次のように語る。
「環境の広がりはアプリケーションばかりではありません。そのOSを適材適所で選択した結果、Windows、Linux、iOSと拡大の一途をたどっており、デバイスに目を向ければPCだけでなくタブレットやスマートフォンが使われるようになってきました。
そして、アプリケーションを利用するユーザー自体も、これまではせいぜい社員や企業グループ内に閉じていたものが、協力会社や取引先、顧客に提供されるケースが出てきている。果たして、そこでのアクセス制御にリスクなしと断言できるでしょうか」
確かに、対応は後手に回っているのが現実だ。取り返しのつかない事態に直面する前に、コントロールを取り戻さなければならない。
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