老朽化したテレビ会議システムの入れ替えが急務に

 北海道に本拠を構える調剤薬局業界大手、アイングループ。臨床検査会社として1969年にスタートした同グループは、その後、薬局事業を開始。2016年8月末現在で、全国に903の調剤薬局を展開するほか、50店舗を超えるドラッグストアや、コスメティクス専門店も経営する企業へと成長した。

 こうした同グループのビジネスは、2004年以来進めてきたM&A戦略に支えられている。例えば、昨年度は店舗拡大の目標数120に対し、最終的に149店舗の増加を達成。これについて、グループの持株会社であるアインホールディングスの菅健伸氏は次のように説明する。

株式会社アインホールディングス<br>業務サポート本部 情報システム部<br>情報システム課 係長<br>菅 健伸氏
株式会社アインホールディングス
業務サポート本部 情報システム部
情報システム課 係長
菅 健伸氏

 「調剤薬局の数はすでに非常に多く、診療報酬に関する法改正などの影響もあり、業界各社は非常に厳しい状況に置かれています。こうした中、市場で生き残るための経営体力を付けるには、グループ企業の力をあわせることが必須。当社は、企業拡大を推し進めることで、継続的なビジネス成長を実現してきました」

 M&Aにおいては、「異なる企業文化をどう融合するか」がカギになる。そこでアイングループは、社員同士のコミュニケーションを促進する基盤として、2007年にテレビ会議システムを導入。違った環境でビジネスを行ってきた会社同士が、同じ理念や経営方針を共有する上ための基盤として、長年、全国の拠点間の情報共有に活用してきた。

 「具体的には、『北海道・東京・東北・北関東・大阪・九州』の6カ所の本部同士をテレビ会議システムで接続。重要な経営方針の発信や全体会議などを行う際のツールとして活用してきました」(菅氏)。

 ところが、長年の利用を経て、既存のシステムに限界が見えてきたという。老朽化によって故障が増え、マイクの断線や最新システムと見比べると画質の劣化も目立つようになり、相手の表情が見えにくい状態になりつつあったのだ。この状況を放置しておけば、本部間の情報共有がスムーズに行えなくなり、ビジネスへの影響も懸念される。企業拡大で店舗数が急増する中、これは緊急で解決すべき課題となっていた。

 「システムは日進月歩で進化しています。そこで当社は、このタイミングを機に、新しいソリューションも含めて検討することが望ましいと判断。より時流に即した仕組みの実現に向け、テレビ会議システムの検討を開始しました」と菅氏は語る。

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