より現実的なアプローチが必要な中小企業のデータ管理

 企業内に蓄積されるデータの容量が、「データ爆発」といってもいいくらいに、急速な勢いで増大している。画像や動画の活用が一般化することで、日常業務で使用するファイルそのものの容量が巨大化する一方で、コンプライアンスなどの要請から長期保存が必要なデータも増えているからだ。またデジタル変革に対応したビジネスで活用するため、大容量データの長期保存が求められるケースも多くなっている。

 このような状況に対応するには、ファイルサーバーもより大容量かつ高速なものが必要になる。データの安全性を確保するために、RAID構成によって冗長性を確保することはもちろんのこと、クラウドサービスとの連携でデータバックアップを行い、災害発生時に備えることも考えるべきだろう。また情報漏えいを防止するためには、適切なアクセス権限の設定や暗号化などによるデータ保護も求められる。ファイルサーバーに求められる要件は、実はかなり多いのだ。

 大企業であればストレージ専任の担当者を置き、高機能なストレージ製品を活用することで、このような要件に対応することも可能かもしれない。しかし人材や予算の制約が厳しい中堅・中小企業では、このような対応は困難だ。ストレージには必ずしも詳しくないいわゆる“一人情シス”の担当者が、ファイルサーバーのHDD増設やNASの設置などを行うことで、対応せざるを得ないケースも多いはずだ。

 しかし場当たり的な対応を続けていては、いずれは限界を迎えることになるだろう。ストレージ拡張や日常的なデータ管理の負担が大きくなる上、HDD障害への対応にも時間が取られるようになるからだ。複数の遠隔拠点にファイルサーバーを設置する場合には、この負担がさらに大きくなる。

 社内リソースの限られた中小企業がデータ爆発に対応するには、大企業以上に戦略的なアプローチが必要だ。システム管理者の負担を増大させることなく、大容量・高速・セキュアなデータ管理を、低コストで実現しなければならない。このような「一見すると背反する条件」を、どのように満たせばいいのだろうか。

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