PCの利用スタイルだけがITの潮流から外れている理由は

 Windows 10への無償アップグレード期間が、2016年7月29日をもって終了した。先行して移行が進んだコンシューマ分野に対し、企業での移行はこれから本格化していくとみられるが、その対応に頭を悩ませているIT担当者も少なくないのではないだろうか。

 Windows 10に移行するには、既存PCのOSをアップグレードする方法と、既存PCをWindows 10搭載のものにリプレースする方法の、大きく2つがある。多くの企業においてOSとPCは同一のライフサイクルで運用されていること、また、OSだけをアップグレードする方法は動作確認などの作業の煩雑化が想定されることから、「Windows 10への移行は、PCリプレースと同時に行おう」と考える企業も多いだろう。そのために、全社のPCを段階的にWindows 10搭載のものに切り替えていく手順やスケジュールの作成、運用管理体制の検討などに追われている担当者もいるはずだ。

 しかし、クライアントPCの導入・管理に関するこうした苦労は、昨今のIT活用の潮流から大きく外れたものだといえる。

 クラウドの登場以降、企業のIT活用については「所有から利用へ」がキーワードとして定着している。つまり、これまでは自社で購入・運用してきたITシステムやリソースを、必要な時に・必要なだけ「サービス」として利用するというスタイルが普及しているのだ。これによって企業は、月額料金を支払うだけで、ビジネスニーズに対応した最新のITを、運用管理の手間いらずで、即座に利用できるようになっている。より戦略的な領域に社内リソースを集中させるための手段としても、こうした考えはますます徹底されていくだろう。

 対して、デスクトップPCやノートPCなどのハードウエアに関しては、一定のサイクルで購入・リプレースし、それを自社で運用管理していくことを「前提」として考える企業がまだまだ多い。これでは、膨大な初期投資が必要になるほか、運用管理にかかる人件費の削減、新たなテクノロジーを迅速に利用することによる競争力の向上などを望むことは難しい。

 こうした中、PC活用に関する課題を解決し、「所有から利用へ」のパラダイムシフトを支援する企業の取り組みが、近年、大きな注目を集めている。その企業では、いったいどのような取り組みを行っているのか、詳しく見ていこう。

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