高容量化/長期保存性/記録安定性を実現した“最先端の磁気テープ”

 磁気テープの高容量化を可能にする「バリウムフェライト(BaFe)磁性体」。このBaFeという材料を使って、2011年に世界で初めてBaFe磁気テープの実用化に成功したのが富士フイルムだ。

 BaFe磁気テープは高容量化だけでなく、長期保存性にも高い性能を示す最先端の磁気テープで、こうした材料技術がビッグデータの利用が必須となる機械学習など、現在のITの世界を支えている。

 BaFe自体は古くから知られている材料で、同社の開発ストーリーも1980年代にさかのぼる。しかし当時はメタル(MP)磁性体が主流で、BaFeの短所も指摘されており、社内だけでなく、他の磁気テープメーカーでも開発の検討が中止されるという状況だった。

富士フイルム
記録メディア事業部 記録メディア研究所 所長
野口 仁 氏

 2017年6月8日開催のITpro Activeセミナー「IoTとビジネスAI登場で変わるデータ活用~ストレージ最新動向で探る最適解~」で登壇した富士フイルムの野口仁氏は、「BaFe磁気テープは、いくつかのターニングポイントを経て現在の実用化に至った製品で、動きの激しいIT業界の中では非常に珍しいケースです」と述べ、「磁気テープの規格である LTO(Linear Tape-Open)のロードマップは現在LTOG10まで予定されていますが、今後我々は自分たちの研究成果を活用し、BaFe磁性体を利用することで1巻当たり220TBまで達成できると考えています」と今後の展望を語る。

 それでは次ページから、磁気テープの高容量化の歴史と共に、富士フイルムのBaFe磁気テープ開発への取り組み、磁気テープの今後の可能性について見ていくことにしよう。

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