年間684兆円の取引量を誇るFX取引システムに、コンポーザブル・インフラ製品「HPE Synergy」を採用――SBIリクイディティ・マーケットが、24 時間無停止でFX取引を支えるサービス基盤の構築における工数を大幅に削減した。代表取締役社長 重光達雄氏が「わずか30秒で物理サーバーの役割を自由に変えられる理想的なインフラ製品」と評価する、コンポーザブル・インフラストラクチャによる物理サーバー環境構築自動化の世界最先端の事例である。

世界のFX取引をリードする SBI リクイディティ・マーケット

 インターネット総合金融最大手、SBIグループにおける外国為替事業を統括するSBIリクイディ ティ・マーケット。同社は、SBIグループ3社( SBI証券、住信SBIネット銀行、SBI FXトレード)および海外事業会社2社に対して、外国為替証拠金取引(FX取引)のマーケット機能とシステムサービスを提供している。2008年の設立以来、右肩上がりで成長を続け、2016年におけるFX売買金額は 684兆円に達した。これは、東京証券取引所第一部の売買金額を上回る規模である。代表取締役 社長の重光達雄氏は次のように話す。

 「FXは個人投資家向け金融商品の主役として認知され、SBIグループのFX市場におけるリーダーシップはすでに強固なものとなっています。個人投資家が『いつでも・どこでも・安心して取引できるサービス』を提供し続けてきたこと。これを支えるFX取引システムを継続的に強化してきたことが、私たちの成長の原動力となっています」

SBIリクイディティ・マーケット株式会社<br>代表取締役社長 <br>重光 達雄 氏
SBIリクイディティ・マーケット株式会社
代表取締役社長
重光 達雄 氏

 2016年は、英国のEU離脱問題や米国大統領選などの結果が予測を覆すたびマーケットに激震が走った。「世界規模で不確実性が高まる中、FX 取引への影響もかつてない規模に及んだ」(重光氏)というが、SBIリクイディティ・マーケットのFX取引システムは揺るがなかった。

 「より広く深くマーケットをウォッチし、リスクを見極めながらシステム全体を強化してきた成果と言えるでしょう。しかし、同時に『予測不可能な要求に適応できるシステム』をいかに実現するか、という課題を改めて突きつけられました。解決への道筋ははっきり見えています。目的に適ったサーバーを適材適所で採用して、システム全体のパフォーマンスを最大化すること。そして、セットアップや構成変更の自動化を推進することです」(重光氏)

 SBIリクイディティ・マーケットが開発・運用するFX取引システムは、顧客からのアクセスを受けるクライアント系システム、バックエンドの注文マッチングシステム、インターバンクと接続するリスク管理システム等から構成され、それぞれの役割に特化したHPEサーバー群を配置している。

 「今回、クライアント系システムにコンポーザブル・インフラ製品『 HPE Synergy』を採用しました。『予測不可能な要求に適応できるシステム』 の理想に近づくためのチャレンジです」(重光氏)

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。