加速するIT活用、社内の支援体制強化が急務に

 IT部門のチカラ抜きにはもはや現代の企業組織の運営は成り立たない。多彩なデバイスやシステムを快適に活用することは、業務を円滑に回す上で必須の要件だ。そこで重要になるのが、社内からの様々な問い合わせに対応する「サービスデスク」の役割である。これを担う情報システム部門には、従来にも増して迅速・的確な対応が求められている。

 とはいえ、これは簡単な話ではない。多くの社員を抱える企業では、毎月の問い合わせ件数は相当数に上る。担当者が個別に対応していたのでは、業務負担がどんどん増大。業務効率化と対応品質向上を図るには、IT運用のベストプラクティスである「ITIL」(Information Technology Infrastructure Library)にのっとった体制を築くのが理想だが、どこから手を付けていいか分からない企業もいまだに多いことだろう。

 そうした企業の手本になりそうなのが、大手独立系SIer、ネットワンシステムズの取り組みだ。

 同社は、ITIL準拠のインシデント管理システムを新たに構築し、月間約2000件の問い合わせを一元管理できる体制を実現した。対応履歴なども共有・活用し、多岐にわたる案件を迅速に処理するとともに、進捗状況も可視化してユーザーに公開している。

 また、同社の問い合わせ管理システムは様々な機能をプログラムレスで簡単に実装できるようにしてあり、新たなニーズが生まれた場合も、コストや手間を抑えて柔軟に対応できるようになっている。いわば現在だけでなく、将来的な活用も視野にいれた環境といえるだろう。

 今回は、どのようにしてこの仕組みが実現されたのかを紹介する。

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