「ITの災害対策には莫大なコストがかかる」それはもはや過去の話
地震の巣の上に立っているといっても過言ではない日本。その国に住まいする者としてITの災害対策は必須の取り組みである。しかし、こういう声も聞こえてきそうだ。
「わかっている。わかっているけど、予算も人手もなくて手をつけられない」
ITを被災から守り、何事もなかったように事業を続けようとすれば、同時に被害が及ばなそうな遠隔地へIT資産を"コピー"しておく必要がある。これまでその方法は、支社・支店といった社内の活動拠点を利用するか、データセンターで災害対策サイトを構築するかが2大選択肢だった。これらはハードウエア、ソフトウエア、ネットワーク整備などを考えると莫大なコストがかかり、運用体制を整えるのも一苦労だった。確かに相当覚悟を決めなければ実現できない。さらに、社内の活動拠点を利用する場合、最近猛威を振るっているランサムウエアなどに攻撃される確率を上げてしまい、データセンターの場合は、災害自体には遭遇しなくても計画停電などのリスクも残る。
そこで提案したいのがクラウドだ。現在は、IT資産の遠隔地保管先としてクラウドが選択できる。これを選択すれば、最初の一歩はコストゼロで、そして文字どおり今日からでもITの災害対策を始められる。しかも、確実に。本稿ではその詳細を紹介する。