自然に囲まれた郡上八幡で、いつもの仕事を

 朝、窓を開けると澄んだ空気が吹き込み、川のせせらぎと小鳥のさえずりが聞こえてくる。見渡せば、美しい稜線が陽射しを浴び、緑のグラデーションが目を癒やしてくれる。地元のわき水で淹れたコーヒーを飲み、パンを頬張りながらスマートフォンでメールをチェック。川沿いの道を歩いて10分、開放的なオフィスに着き、PCの電源を入れれば、いつものビジネスタイムが始まる――。

 理想の働き方は人それぞれだとしても、こんな環境を提示されたら、心を揺れ動かされる人は多いはずだ。

 名古屋から車で北へ1時間半、「水の街」と呼ばれる岐阜県郡上市に、2017年3月にオープンした「HUB GUJO(ハブ グジョウ)」。ここは、先進ICTを活用したテレワークを行う企業が集まる次世代型ワークプレースだ。若者世代の流出、人口減といった地方自治体が抱える問題を解決すべく、U/Iターン者有志が立ち上げた。総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」で予算補助事業に採択されるなど(※)、大きな注目を集めている。

岐阜県郡上市八幡町に開設した次世代型ワークプレース「HUB GUJO」

 元は紡績工場だった建物をリノベーションし、シェアオフィス6室、90㎡のコワーキングスペースを持つ施設に生まれ変わらせた。テレビ会議システム、Web会議システムをはじめとするテレワークするためのインフラが揃っており、すでに名古屋の広告制作会社、美濃の和紙メーカー、千葉のコーヒー販売会社など、全国から様々な業種の企業が入居している。森と川に挟まれた自然豊かなロケーションのオフィスでは、冒頭に紹介したようなワークライフバランスがごく自然に実現できている。

 また、このHUB GUJOが特徴的なのは、企業経営者やマネージャーといった上位役職者が多く常駐し、テレワークを成功させている点だ。今回は、あるマネージャーの働き方にスポットをあて、その秘訣を探ってみたい。