顕在化するオールフラッシュストレージの課題とは?

 フラッシュストレージの注目度が高まっている。フラッシュメモリは駆動部位を持つHDDに比べ、I/O速度が圧倒的に速く、データ運用のボトルネックを極小化できるからだ。壊れにくく、低消費電力という点も大きなメリットだ。近年は集積度の向上とフラッシュメモリの大容量化に伴い、ギガバイト単価でも低価格化が進んでいる。

 これを背景に、世界中のデータセンターでフラッシュストレージの採用が加速している。よりシビアな要求が求められるデータセンター事業者がその性能を評価し、事業基盤の強化策としてフラッシュを選択しているのだ。

 この流れはユーザー企業でも顕著だ。以前はデータベースの高速処理を目的とした特化用途での採用が多かったが、最近は社内の仮想化環境やクラウドの統合基盤として、従来のストレージをすべてフラッシュに置き換える「オールフラッシュストレージ」を採用するところも増えている。

 用途が増えてきたことにより、新たな課題も顕在化してきた。様々なシステムの収容基盤としての役割が求められれば、当然、負荷の高騰が懸念される。例えば、共有ストレージを基盤とする仮想化環境は、アクセスが集中するとレスポンス低下の恐れがある。「オールフラッシュ化したのに、思ったようなパフォーマンスが出ない」といった不満も少なくない。

 バックアップに課題を抱える企業もある。本番システムはオールフラッシュ化でデータの大容量化に対応しても、バックアップの仕組みがこれに追い付かず、スケジュール通りにバックアップが終わらないことがあるからだ。

 こうした課題を回避する上で重要になるのが「製品選び」だ。製品の選択一つで、実はパフォーマンスや使い勝手が大きく異なってくるからだ。その好例が、重複排除や圧縮の機能。重複排除や圧縮には、有効なデータとそうでないデータが存在する。これを無視してすべてのデータを重複排除/圧縮する製品を選ぶと、思っていたパフォーマンスが出ない。

 そこで参考となるのが、第三者調査機関DCIG社が発行した「2017-18 DCIG All-Flash Array Buyer’s Guide(オールフラッシュストレージのバイヤーズガイド)」だ。中立的な立場で世界の主要なストレージを総合的に分析・紹介している。次ページ以降では、これをともに製品選びのポイントと注目度の高い製品について紹介していく。

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