なぜ、IT部門のビジネス貢献度は上がらない?
近年、企業のシステムと、その構築を担うIT部門に求められる役割は、大きく変化している。“止まらないビジネス”を支える堅牢・高信頼なシステムを実現するだけでなく、ビジネス部門が求める機能やサービスを、迅速に提供できる「スピード」と「柔軟性」を伴ったシステム構築が強く求められているのだ。
例えば、新規サービスのアイデアをテストするサーバーを迅速に用意し、他社に先駆けた開発と事業化を目指す。または、ビッグデータ解析に必要なリソースを素早く用意し、新たな潜在顧客の掘り起こしを図る――。ビジネスのデジタルシフトが進む中、こうした要求に迅速に応えることが、IT部門の課題として突き付けられている。
「仮想化技術」を採用すれば、この要求に容易に応えられると期待したIT担当者も多いだろう。わずか数分程度で仮想サーバーが立ち上がる仮想化技術ならば、従来とは比べものにならない、迅速なシステム提供ができるからだ。
しかし実際には、仮想化導入の動きが広がって数年経つ現在も、ビジネス部門の要求を満たすようなスピーディかつ柔軟なシステム構築ができていない企業は多い。世界の主だった企業に対して行った調査でも、実に75%ものCIOが、「ある問題」が障壁となって思うようなシステム構築ができていないと答えている。