“新たな目的”でのデータ保存が増加中。その理由は

 近年、企業がデータ保存を行う目的に、ある“変化”が生じているという。

  従来のデータ保存は、ビジネス継続に必要なデータの消失を防ぐ「バックアップ」が主な目的だった。特に東日本大震災後は、災害対策としてバックアップを行う企業が増加。また、サイバー攻撃などからデータを守る方法として、バックアップを行っている企業も多い。

 しかし最近では、これとは異なる目的でデータ保存に取り組む企業が増えている。それが、新たなビジネス価値創出を目的とした「データアーカイブ」だ。

 具体的には、これまでは保存せずに捨ててきたデータや、IoTなどで生み出される膨大なデータを継続的に蓄積。ビッグデータとして任意のタイミングで分析・活用できるようにしておき、将来のビジネスチャンス拡大に生かすのが狙いだ。

 ビジネス継続のためのバックアップでは、災害やサイバー攻撃の被害に遭った後、迅速に「被害に遭う直前の状態」に戻せることが重要になる。この場合、日常の業務で利用しているデータを頻繁にバックアップし、かつすぐに復旧できる仕組みが求められる。

 対して、将来のビッグデータ活用を狙ったアーカイブでは、無制限に増え続けるデータを長期にわたって安全かつ確実に保護していく必要がある。また、いざデータを使いたい時に膨大なデータを効率的に呼び出せること、コストを抑えた運用が可能なこと、将来の技術進歩に応じて現在利用しているシステムが使えなくなった時にも、データを新しいシステムへマイグレーションできることなども考慮しなければならないのだ。こうした要件を満たすにはどのような対策があるのか、次ページ以降で考えていこう。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。