米国防総省ではいちはやく「Windows 10」の全面採用を決定
Windows 7から6年、Windows 8から3年を経てリリースされた最新OS「Windows 10」。リリース当初、1年間の無償アップグレード期間が設けられたことが大きな話題を呼んだが、機能面でも、時流に応じた進化・強化を着実に果たしたOSとなっている。
まず特筆すべきはセキュリティ面の強化だ。新たに顔、指紋、虹彩といった生体認証機能を「Windows Hello」として搭載し、利便性とセキュリティの向上を両立。マルウエア対策という点でも、「Windows Defender」の機能を大幅に強化した上で標準搭載し、悪意あるプログラムへの対応強化を実現した。
さらに、ビジネスで利用される端末の多様化を受けた進化もみられる。例えば、マイクロソフトの「Surface」に代表される“2 in 1”デバイスでは、キーボード着脱を自動で認識し、PC向けUIと、タッチ操作に最適化されたUIを自動表示する「Continuum」機能も搭載。ストレスのない端末利用を実現する。
こうしたWindows 10の機能を業務で活用するメリットにいちはやく目をつけたのが米国防総省(ペンタゴン)だ。同省は世界の企業や組織の先陣を切る形で、所有する400万台分の端末のOSを1年以内にすべてWindows 10へアップグレードすると発表(2016年2月)。ハッカーの標的となるケースが多いことで有名な同省のWindows 10採用は、大きな話題を呼んだ。
これを受け、民間・国家機関での個人情報流出が続く日本でもWindows 10への注目度がさらに高まっている状況だが、IT担当者にしてみれば、自社での取り組みをどこから進めればよいか悩むケースもあるだろう。特に「既存のIT資産との互換性」をどう担保するかには、多くのIT担当者が頭を悩ませているのではないか。そこで次ページからは、Windows 10へのアップグレードを成功させる近道を改めて考えてみよう。