リース満了に伴い、「既存OS+Oracle Database」によるデータベース基盤を抜本的に見直す

リコー  コーポレート統括本部 ビジネスプロセス革新センター 情報インフラ統括部 システムインフラグループ シニアスペシャリストの宮腰寿之氏
リコー コーポレート統括本部 ビジネスプロセス革新センター 情報インフラ統括部 システムインフラグループ シニアスペシャリストの宮腰寿之氏

 今日、多くの企業がOracle Exadataを導入し、データベース集約によるコスト削減や圧倒的な処理性能を生かした大幅なパフォーマンス向上を果たしている。先頃、社内のデータベース基盤をOracle Exadataに刷新したリコーもその1社だ。2016年10月に開催の「Oracle Cloud Days Tokyo 2016」における同社 宮腰寿之氏(リコー コーポレート統括本部 ビジネスプロセス革新センター 情報インフラ統括部 システムインフラグループ シニアスペシャリスト)の講演の内容を基に、リコーがOracle Exadataを選んだ理由と、その導入効果を紹介する。

 複合機MPシリーズに代表される「画像&ソリューション分野」事業を中心に、サーマルメディアや光学機器、半導体の製造販売を行う「産業分野」、そして熱烈なファン層を抱えるGRシリーズや話題の全天球カメラTHETAなどのデジタルカメラ事業を推進するリコー。同社を中核とするリコーグループは事業のグローバル化も積極的に推し進めており、現在は日本と米国、欧州、アジアパシフィック、そして中国の4極体制により、世界200カ国で事業を展開している。

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 リコーでは、基幹系システムなどで利用するデータベースを約20年前からOracle Databaseに一本化している。また、要件の厳しい大規模な基幹システムは個別の専用データベースサーバーを立て、規模が小さいシステムについては「統合Oracleサーバー」を設け、そこにスキーマ統合で集約するというアプローチを採用してきた。この統合Oracleサーバーは可用性の要件に応じて最適な構成が採られ、高可用性を求めるシステムについてはOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)構成、中程度の可用性が求められるシステムはHA構成、そして可用性の要件が高くないシステムは冗長化なしのデータベースサーバーをそれぞれ使い分けるといった具合だ。

 統合Oracleサーバーは経理系や設計系、販売系、そのほか一般系の業務システムで使われているが、サーバーマシンのリース切れなどに伴い、このデータベース基盤を従来のプラットフォームで運用し続けるかどうか、宮腰氏らは抜本的な見直しを行ったと明かす。

 「統合Oracleサーバーが稼働する既存マシンのリース満了時期が迫っていたほか、一部のミドルウエアで保守期限切れの問題が生じており、今後どうするかを考える必要がありました。その検討を2015年秋に開始した際、今後も同じプラットフォームの上でOracle Databaseの統合を進めていくべきか再検討することにしたのです。その際に方針として意識したのは、当社の高効率経営に貢献するために、『コストを抑えつつ、安定性を高める』ことでした」(宮腰氏)

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