SDNのメリットをどう引き出すか

 サーバーやストレージから始まった仮想化技術を、ネットワークの世界に適用する――この「SDN(Software-Defined Networking)」が、今急速に広がりを見せている。

 その名の通り、SDNは、ネットワーク環境をソフトウエアベースで論理的に構築することで物理インフラをシンプル化。企業の組織体制やビジネスニーズの変化に合わせて最適なネットワーク環境を自動的かつ迅速に立ち上げたり、柔軟に変更できるようにするものだ。

 この言葉が注目され始めたのは2012年頃、標準仕様である「OpenFlow」の登場がきっかけだ。これを機に、大規模データセンターやクラウドサービス事業者から採用が進行。ここ数年は、一般企業も導入しやすいソリューションや環境が整備され、次世代型の企業ネットワークのひな型として広く活用されるようになった。

 また最近は、セキュリティ強化施策としての側面にも注目が集まっている。標的型メール攻撃の増加など、情報セキュリティリスクが拡大する現在は、企業システムへの脅威の侵入を防ぎ切ることが困難になりつつある。そのため、たとえ侵入されても、被害を極小化するための仕組みが新たに求められているが、その手法にSDNによるネットワークのセグメント化(分割)を活用するのである。これにより万一、ネットワーク内に脅威が侵入しても、論理的なネットワーク構成を自動的かつ迅速に変更することで当該セグメントを隔離し、被害の拡大を食い止めることができる。

 ただし、先に紹介した通り、現在は多くのSDNソリューションが登場しており、自社に最適な環境をどう構築すればよいかは悩むところだ。SDNのメリットを最大限引き出すには、どんなアプローチが有効なのか。ITインフラのプロに聞いた。

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