好まれるツールは世代ごとに異なる

 社員のコミュニケーションを活性化するための、コミュニケーションツールを見直したい――。このようなニーズを抱える企業や組織が増えている。しかし、「どのツールを導入すれば良いのか」を悩んでいて決められない企業が多いのではないか。

 在宅勤務や移動時間の有効活用など、場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するには、「フェース・ツー・フェース」のコミュニケーションだけを前提にすることは望ましくない。現在は電話やFAX、メールといったレガシーなツール以外にも、チャットやSNS、Web会議から、スマートフォンで内線通話ができるアプリまで、多種多様なツールが登場している。それらをどう組み合わせてオフィスの環境を整備するかが、情報システム部門や総務部にとっての重要ミッションになっているといえるだろう。

 また、一口にコミュニケーションツールといっても、社員の世代によってニーズが大きく異なることも課題だ。

 企業のソリューション導入の意思決定者は、キャリアを重ねた年長世代であることが多いだろう。コミュニケーションの観点でいえば、"電話世代""メール世代"といった表現ができる。

 しかし、これから企業の成長を担うのは、20代をはじめとする若手世代。彼らはいわば"スマホ世代""SNS世代"であり、そもそものコミュニケーションに対する考え方が、上の世代とは大きく異なる。この世代が便利さを実感でき、「使いたい」と感じる環境が用意できなければ、企業が持続的に成長していくことは難しいだろう。

 そこで本記事では、実際のアンケート調査(※)を基に、「真に社員の生産性向上につながるコミュニケーションツール」を考える。

 この調査では、働き方改革の推進など、ワークスタイルの変化が求められるなか、ビジネスコミュニケーションの手段がどう変化しているかを調べた。ビジネスシーンでもスマートフォンが普及するなか、業務連絡などの手段はどのように変化しているのか。実態を知り、適切に分析することが、モバイルワークなど新しい働き方を取り込んでいくための第一歩になる。次ページ以降で、調査の結果と、そこから見えてきたコミュニケーション変革のポイントを紹介しよう。

※ 2017年12月NTTコミュニケーションズ調べ。全国の20代~60代の会社員1,200人を対象に「企業の社内コミュニケーション手段の変化に関する調査」をインターネットアンケートにて実施(調査協力会社:楽天リサーチ)。

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