新サービス立ち上げで直面した電話・訪問営業の限界

 営業プロセスを効率化し、クロージングまでの時間を短縮したい。そうすれば、より多くの顧客にアプローチすることができ、見込み顧客や成約案件数を増やせるからだ。とはいえ、個々の担当者は十分努力しており、これ以上負荷をかけても劇的な改善は期待できない。仕組みの側でサポートできればいいが、はたしてどんな方法があるのか――。

 多くの経営者が頭を悩ませるこの問いに対し、クラウドを活用した「オンライン営業」によって答えを出したのが、未来電子テクノロジーである。

 同社は「若者とソーシャルの力で世界をもっとフラットに」のビジョンの下、顧客企業のコミュニケーションやWebマーケティングの課題を解決する企業。2010年設立とまだ新しいが、旺盛なチャレンジ精神で複数の事業を展開し、市場における存在感を急速に増している。

未来電子テクノロジー株式会社<br>常務取締役/CSO<br>芹生 義雄氏
未来電子テクノロジー株式会社
常務取締役/CSO
芹生 義雄氏

 「当社はもともと、Facebookで集客を行う際のノウハウ提供やサポートを主な事業としていました。そうした中で、お客様の多くが自社サイトの更新や運用にも課題を抱えていることを知り、サイトの制作・更新代行からSEO対策、アクセス解析といったサービスまでを幅広く提供する『Reach@』をスタート。現在はこれが収益の柱になっています」と同社 常務取締役/CSOの芹生 義雄氏は説明する。

 このReach@が事業として成長していく過程で、同社は営業手法を抜本的に見直した。

 Facebookの集客サポートを主に行っていた頃は、少人数で効率よく営業活動を行う必要があったため、新規顧客へのアプローチを「電話営業」のみで行っていた同社。サービス自体がシンプルで廉価だったこともあり、この手法は問題なくフィットしていた。

 しかし、Reach@はより複雑で、顧客ごとに提案すべき内容が異なる上、内容によっては提供価格も大きく膨らむサービス。そのため、それまでのような電話営業一本では、なかなか商談を成立させることが難しくなっていったという。

 「もちろん直接お客様を訪問する方法はありましたが、どうしても商圏が限られてしまう上、社員の少ない当社にとってはリソースの投資対効果がよい方法とはいえませんでした。しばらくは訪問営業も行いましたが、アプローチできたのは結局、本社がある大阪市阿波座から片道1時間以内のお客様だけ。ビジネス成長に向けては、より広い地域のお客様に効率的にリーチできる手法が必須でした」

 そこで選択したのが前述の「オンライン営業」だ。これを始めて以来、同社は驚くべき営業成果を上げている。次ページでは、その詳細に迫りたい。

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