ハードルが高いグローバルERPの導入

 現在、国内市場が縮小する一方で、アジアをはじめとした新興国市場が急速な勢いで拡大している。この状況のもと、製造業をはじめとする日本企業の「グローバル展開」の意味合いは大きく変わっている。

 例えば、従来は生産拠点を展開する企業が多かったが、今では現地市場に進出するための販売拠点を置くケースも増えている。同時に、これまで“聖域”とさえいわれていた開発・設計業務を、海外に移す企業も増えてきた。

 拠点を短期に展開するためのM&Aも活発化。現地法人がその土地の関連企業や取引先と連携し、オープンイノベーションに取り組む例も珍しくなくなった。グローバルなバリューチェーンはかつてないほどに複雑化し、かじ取りは難しくなっている。

 こうしたなかでは、グローバル規模で統合された基幹システム(ERP)へのニーズが高まっている。各国拠点の経営状況を把握する上では、データをリアルタイムに集約・一元管理し、意思決定に必要な情報提供ができる仕組みが必要だからだ。

 ただ、これがなかなか難しい。

 ERPを機能させるには、まず現場スタッフのデータ入力作業が欠かせない。たとえ国内の本社が意図したデータ集計・KPIを設定しても、現地スタッフが納得するかたちで導入できなければ、そもそも利用されない可能性もある。また、それ以前の問題として、言葉の壁のためにコミュニケーションがうまくいかず、現地法人の状況や課題、希望を十分に把握できず、歯がゆい思いをすることも多いと聞く。上層部からの導入指示との板挟みに遭い、苦しむIT部門は少なくないはずだ。

 こうした課題の解決策はあるのか。実は、わずか「1カ月半」で抜本的に解消するアプローチが登場しているという。次ページ以降で、その詳細を見ていこう。

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