こんなトラブルをどう解決する?3つの事例に見るヒント

 データをどう蓄積し、それをいかに効果的に活用するか。これからのビジネスにおいて、これは極めて重要なテーマだ。しかし、データの蓄積・活用の基盤であるデータベースに課題を抱えている企業は決して少なくない。その課題をいかにして解決していけばいいのか。まずは3つの事例を紹介しよう。

事例1:バッチ処理時間に悩む「小売業A社」
同社は店頭でのギフト商品販売を手がけており、その受注データを全店170台の端末からギフト受注システムに集約・処理している。しかしデータ量の増加に伴い、受注が集中する中元・歳暮シーズンには、夜間バッチ処理が営業開始時刻までに終了しないという問題が発生、早急な対応が必要となった。そこでデータベースシステムの移行を実施し、これによってバッチ処理時間を以前の約1/7にまで短縮。障害発生時のフェイルオーバー時間も数十分から数秒~数分に短縮し、サービスレベルも向上させた。

事例2:性能劣化の問題を抱える「ネットサービス企業B社」
ポイント交換サービスを提供する同社では、ユーザー数の急速な増加に伴い、データベースシステムのI/Oキャパシティが限界に。今後もトランザクション急増が予測されたため、性能向上が必要となったが、チューニングのための時間を確保することが困難だった。そこでデータベースシステムのバージョンアップを実施、わずか1カ月でデータ移行を完了し、将来の規模拡張にも耐えられるだけのI/O性能を確保した。またデータベース管理者だけではなく、アプリケーション開発者もデータベース稼働状況を参照できるようにしており、これがアプリケーション品質の向上につながると期待されている。

事例3:業務に支障をきたしていた製造業C社
生産、出荷、在庫などに関わる情報を一元化するために生産管理システムを刷新し、工場内のすべての製造ラインにこのシステムを適用。しかしこれに伴うデータ量増加にデータベースシステムが対応しきれなくなり、日々の業務に支障をきたすようになった。この問題を解決するためデータベースシステムも刷新。その結果、生産データ取り込みのバッチ処理時間は49分から43秒へと大幅に短縮された。アプリケーションによるデータ参照操作も、2分だったものが11秒になり、レスポンス速度も大幅に改善されている。

 次ページ以降では、どうやればコストを抑えつつ、大きな効果を上げることができるのか。具体的なシステム像について考えてみたい。

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