システム統合で失敗しないために──考えるべきはその理由と対策

 社内に散在するシステムを集約/統合して、コスト削減や運用管理の効率化を図りたい──近年、こうした目的からシステム統合に乗り出す企業が増えている。ただし、すべてが成功するわけではない。例えば、ある企業ではグループ企業との合併に伴ってシステムの再構築を試みたが、本番環境の最終テストでまったくパフォーマンスが出ないことが判明。移行を中止して、再度新システム開発に踏み切った。そのため、想定以上のコストや人的リソースの負担を強いられたという。

 このシステム統合のボトルネックになりがちなのはどこなのか?その最重要ポイントともいえるのが、データベースの統合である。これによってTCOの最適化が可能になる上、システム間のデータ連携も行いやすくなるからだ。しかしデータベース統合は、Webサーバーやアプリケーションサーバーに比べると、ハードルが高く失敗例も少なくない。先述した企業は、やはりデータベース統合で失敗している。

 Webサーバーやアプリケーションサーバーでは、システム統合の手法として「仮想化統合」を採用するのが一般的。しかしデータベースサーバーでは、この手法は現実的ではない。仮想マシンでは十分な性能が引き出せない危険性がある上、ソフトウエアライセンスも仮想マシンごとに必要になるからだ。

 それでは高性能なハードウエアを採用し、そこへデータベースを移行するのはどうなのか。データベースソフトのライセンス費用は、通常CPUのコア数に応じて決まるため、この手法でもTCO削減は限界がある。サーバーの性能は、そのCPUのコア数に比例して向上するものだからだ。

 このようにシステム統合には様々な考慮すべき点がある。こうしたリスクを最小限に抑えてスムーズに統合していくには、いったいどのようなアプローチを行うべきなのか。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。