AzureのSAP対応を矢継ぎ早に発表

 最近は日本企業でも各種SaaSの活用が広がり、クラウドへの抵抗感はぐっと薄れた。既に情報系システムでは、クラウドファーストのアプローチが広く一般的なものとして受け入れられている。

 そんななか、あるベンダーの発表が業界に大きなインパクトを与えた。日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)が2017年に発表したSAPサポートの強化である。

 具体的には、パブリッククラウド「Microsoft Azure(以下、Azure)」の国内データセンターで、従来のSAP ERPシステムが稼働可能なマシンに加えてインメモリーデータベース「SAP HANA」が稼働可能な仮想マシンを提供。“SAP on Azure”を、国内の複数のパートナー企業と共に推進していくというものだ。

 例えば、最大128のCPUコアが1台の仮想マシンで使用可能、かつ4TBのメモリーが提供される「Mシリーズ」は、大容量メモリーが要求されるSAP ERPおよびSAP HANAの稼働を想定して設計された仮想マシン。また、SAP HANA用専用ハードウエアサービス「SAP HANA on Azure(Large Instances)」の提供開始をはじめ、より大規模なワークロードへの対応も順次進められている。これにより、いよいよ基幹系システムの世界でも、クラウドを横並びで検討できる時代がやってきたといえるだろう。(図1)。

“SAP on Azure”に向けたラインアップ(一部)
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“SAP on Azure”に向けたラインアップ(一部)

 これまで、既に3ケタにのぼる顧客から問い合わせがあるというSAP on Azure。次ページ以降では、複数の実証実験を進めるパートナー企業の声を基に、その真価に迫る。

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