在宅勤務の意外なデメリットをどう解決するか

 ICTを活用した「働き方変革」が企業のミッションになって久しい。例えばテレワークによって、いつでも・どこでも仕事ができる環境を整えれば、業務効率化、生産性向上のほか、育児や介護といった家庭の事情やプライベートな時間と仕事を両立するといったことが容易になる。また、柔軟な働き方が可能になれば、昨今マスコミで多く取り上げられている長時間労働の問題や、社員のメンタルヘルスの改善も図りやすくなるだろう。2016年4月には厚生労働省のテレワーク助成金制度もスタート(※)し、取り組みを進める機運は一層高まっている。

 しかし、その実現過程には乗り越えるべきいくつかの壁も存在する。中でも意外に無視できないのが、「顧客サービスの低下」だ。いまや自宅や外出先でもオフィス同様の業務を継続することはクラウドを活用することで容易になった。一方で、仕事を進める上で欠かせない、スムーズなコミュニケーションがどうしても行いにくくなる。そのため、顧客対応スピードの低下や、社内の情報共有不足による対応品質の劣化が起こりがちなのである。

トラスティルグループ<br>グループ代表<br>小倉 純一氏
トラスティルグループ
グループ代表
小倉 純一氏

 弁護士、行政書士、司法書士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、海事代理士による総合リーガルサービスを提供するトラスティルグループ(弁護士法人トラスティル・行政書士法人トラスティル・トラスティル海事代理士事務所・株式会社トラスティルグループ)も、そうした課題にぶつかった一社だ。

 行政・司法に関する幅広い課題や悩みにワンストップで応える同社は、士業の有資格者と、それを専門性の高い知見でサポートするアシスタントスタッフで構成されている。「それぞれ専門領域を持つ当社の社員は、その特性上、容易に替えが利きません。そのため社員が長く在籍できる環境を整えることは創業以来のモットー。モバイル端末の配布などによりテレワーク環境の実現に注力してきましたが、こと電話連絡などの社内コミュニケーションに関しては、オフィス勤務時と同じ状態が維持できているとは、必ずしも言えませんでした」と同社代表の小倉純一氏は振り返る。

※厚生労働省「職場意識改善助成金(テレワークコース)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisikitelework.html

※画像提供:アイティメディア(株)

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