企業がオールフラッシュ・ストレージの導入に積極的に乗り出し始めたのは2013年頃から。当初、その目的の大半はデータベース処理の高速化にあった。ところが、2015年あたりから状況は大きく変わり始めた。データベースだけでなくバッチ処理や情報系、さらにはメールやイントラネットなどのコミュニケーション基盤に至るまで、あらゆる用途でオールフラッシュ・ストレージの導入が本格化している。こうしたオールフラッシュ・ストレージへの移行を市場でけん引しているのが、過去3年連続でシェアNo.1を獲得しているIBMだ(出典:IDC Worldwide Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker, 2016Q2)。

 フラッシュ・ストレージのコストも下がり、さらにデータ圧縮や重複排除などの機能をうまく組み合わせれば、容量単価はHDDと比べてもほとんど遜色ないレベルとなっている。こうした経済性の高まりが導入に弾みをつけているのは言うまでもないが、同時にオールフラッシュ・ストレージに対する“目の付けどころ”も大きく変わってきているのである。

 たとえば、米調査会社エンタープライズ・ストラテジー・グループ(ESG)がユーザー調査を行ったところ、「3年間で部品交換が必要となるIBM FlashSystemの故障率は、HDD搭載ストレージ装置と比べて約50分の1に減少している」という報告がある(出典:ESG、 Comparing IBM FlashSystem to Traditional Performance Disk Systems)。こうしたオールフラッシュ・ストレージの「信頼性」に着目し、止められないシステムの基盤として採用する企業が増えている。また、オールフラッシュ・ストレージが実現する「運用の容易性」に価値を見いだした企業もある。

 では、実際にどんな企業がどのようにオールフラッシュ・ストレージを活用しているのか、次ページで具体的な事例を紹介しよう。

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