「製造業におけるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)導入は、IT投資ではなく事業投資です。製造現場の改善に留まらず、事業経営の改革に役立てるには、製造現場と事業部門がこれまで以上にシンクロしなければ無駄な投資になりかねません」
ジェイエムテクノロジー 取締役副社長 IT事業本部 本部長の石川則夫氏は、こう言い切る。ジェイエムテクノロジーのおもなビジネスは、半導体前工程製造装置を始めとする産業機械の立ち上げ・メンテナンス・保全、そして、IT基盤構築とシステム開発だ。マイクロソフトのパートナー企業でありながら、半導体製造工場の現場を渡り歩いて来た装置エンジニアとITエンジニアを併せ持つ会社は少ないのではと石川氏は言う。この特徴を活かし、装置保全技術と最新のIT技術の両面で製造現場に特化したコンサルティングとソリューションをものづくり企業に提供している。
では、なぜ製造現場と事業部門の“シンクロ”が求められるのか――。そのわけを、ジェイエムテクノロジー IT事業本部 ビジネスソリューションアドバイザーの三宅信一郎氏は「経営層の意を受けた事業部門や情報システム部門と製造現場は立場が異なり、往々にして反りが合わない傾向が見受けられます。私たちがお客様と議論に入っても両者の間にミゾがあると感じることが多い。とりわけ、IoTは現場のプロトコルがわからない情報システム部門が導入をリードするのは正直難しいと感じます」と語る。
それでは、どうしたら経営層と製造現場のミゾを埋めることができるのか。