ITの進化には目を見張るものがある。デバイスやネットワークの性能は加速度的に向上し続け、大容量データもスムーズにやり取りすることが可能だ。“手のひら”に収まるスマートフォンで「YouTube」や「ニコニコ動画」を楽しむ光景も珍しいものではなくなった。誰もがクリエイターとなり、動画を投稿・発信し、大勢のユーザーがそれを気軽に楽しむことができるのだ。
映像は、文字では伝えきれない動きや雰囲気を視覚的・直感的に伝えられ、細かい説明がなくても見る者に大きなインパクトを与える。映像のメリットをビジネスに活用しようという動きも盛んだ。企業内での研修や情報共有、e-ラーニングへの活用のほか、専門性の高い技術の習得や継承を目的に映像コンテンツを活用する企業もある。
「映像は顧客との有力なコミュニケーションツールにもなります。商品の利用シーンをプロモーションしたり、使い方を動画で紹介することで顧客接点を強化できます。購買意欲を喚起し、売り上げの拡大も期待できます。金融業界ではお得意さまへの市場情報の提供に映像コンテンツを活用するところもあります」とNTT東日本の実松佳奈氏は映像を活用するメリットを語る。
だが、映像コンテンツのビジネス利用を図るには、配信サーバーや広帯域ネットワーク環境を整備しなければならない。フルハイビジョン映像に慣れたユーザーに、貧弱な品質の映像を配信すれば、かえってイメージダウンになりかねない。
エンドユーザーに受け入れられる視聴環境を整えるためには、高い技術力や多くの投資が必要になる。このハードルを越えられず、映像のビジネス利用を諦めている企業も少なくないだろう。しかし、最近は高品質な映像配信環境を手軽に利用できるサービスが登場している。