タクシーを1台も持たないタクシー会社「Uber(ウーバー)」、ホテルを所有しない世界最大の宿泊仲介会社「Airbnb(エアビーアンドビー)」、在庫商品を1つも持たない世界最高価値の小売会社「Alibaba.com」、コンテンツを1つも持っていない世界一有名なメディア会社「Facebook」。こうしたデジタルネイティブの企業によって、業界地図は大きく塗り替えられつつある。

 彼らに共通しているのは、あらゆるデータをビジネスに活用しながら、アイデアをスピーディーに形にしていく力を持っていることだ。うまくいけばすぐにビジネスを拡大し、うまくいかなければすぐに変更を加えたり、あっさりと撤退したりもする。市場の反応をビジネスにフィードバックさせ、常に最適なビジネスモデルを追求することを何よりも優先させている。

 それを可能にしているのが、高速で大量のデータを処理できる柔軟なITインフラだ。企業コンピューティングの世界では、基幹系システムに代表されるこれまでのシステムの形態であるSoR(System of Record)に加え、顧客との結びつきを強化するためのシステム、SoE(System of Engagement)の必要性が注目されている。そして、この異なる2つのシステムのデータを合わせて活用して新たな知見を得るには、これまでとは異なるITインフラが求められる。

 こうしたニーズに応えるべく、250マイクロ秒の応答時間というデータへの高速アクセス性能を備えた、新しいオールフラッシュ・ストレージがIBMから発表された。「IBM FlashSystem A9000」と「IBM FlashSystem A9000R」(以下、A9000シリーズ)である。日本IBMのストレージ・セールス事業部長の波多野敦氏は「地球の裏側のデータをつなげて1秒以内に答えを出すという、ミリ秒レベルでの処理が求められる世界では、I/Oデバイスはマイクロ秒レベルでなければならない」と新製品の開発経緯を語る。

 ほんの一瞬で業界地図がガラリと変わってしまうデジタル変革時代。これに対応するため、ストレージの世界でも大変革が起きている。

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