日本企業の営業現場が直面する2つの課題とは
日本はすでに成熟社会になっており、今後よほどのことがない限り大きな経済成長を期待することは難しい。またインターネットなどの普及によって、商品・サービス提供者サイドと顧客サイドとの間の情報格差も縮小している。むしろ顧客サイドの方が競合情報などをよく知っているケースも少なくない。
このような市場では、顕在化されたニーズに対して効率よく対応するといったアプローチは通用しにくくなる。常に顧客に寄り添い、顧客を深く理解した上で、潜在的なニーズを掘り起こしていく必要があるのだ。このような変化に適合できない企業は、たとえ大企業であっても、予想以上に短い時間で淘汰される可能性もある。
こうした環境で生き残っていくには、営業部門のあり方も変わらなければならない。シェア獲得のために販路を確保するという営業スタイルから、顧客が抱えている真の課題に切り込み、有効な提案を行う問題解決型営業へと脱皮しなければならないのだ。そのためには、より多くの時間を顧客理解と解決策立案に費やす必要がある。
しかしその一方で、現在の日本企業は人手不足という課題にも直面しつつある。生産年齢人口は2030年までに約16%減少すると試算されている上、働き盛りの年齢が家族の介護などの理由により、フルタイムで働けなくなるケースも増えている。
限られた人的リソースを最大限に活用しながら、顧客に寄り添う時間をいかに増やして質・量共に充実させていくのか。そして顧客理解と解決策立案といった高度な知的活動を、いかにして効率的に行えるようにするのか。現在の営業現場は、このような難しい要求が突きつけられているのである。
こうした課題を解消しつつ、売り上げの拡大を支援するためにIT部門にはどんなサポートが可能なのだろうか。