運用の複雑化とユーザーニーズの“板挟み”にあうIT部門

 ビッグデータへの注目度が増す昨今、さまざまな企業・機関・組織において多種多様な業務データから新たな価値を引き出す取り組みが強く求められている。事業を支えるIT部門でも、ユーザー部門が必要とする的確なデータを迅速に提供できるITインフラの構築が急務だ。

 とはいえ、こうしたニーズに応えていく上で、課題となる点も少なくない。現在ではITインフラの仮想化やクラウド化が進んでおり、その中にはサービス内容や重要度が異なる数多くの業務システムが混在するからだ。つまり、IT部門では、業務システムを支える多種多様な「サーバ/ストレージの運用管理」に追われる一方で、「ユーザー部門への迅速・的確なデータの提供」という事業貢献への役割も求められているわけだ。

 また、多種多様な業務データの最適配置もやっかいな問題である。

 頻繁に利用される重要な業務データは高速で高信頼なストレージに、あまりアクセスされないデータは安価で大容量なストレージに配置する――。これが理想形ではあるものの、実際には乱立する業務システムごとに重要度の異なるデータが混在しているのが現状だ。これを最適化しないことには、運用管理の負荷もデータ利活用にかかるコストも増大する一方である。

 さらに、重要な業務データの確実な保護という課題もある。24時間・365日事業を止めないためには、万一の災害や障害発生時だけでなく、事業戦略の転換に合わせたシステム改変時にも継続的にデータを利活用できる環境が必要だ。

 これらのポイントは仮想化環境を抱えている企業には、特に大きな課題と映っているようだ。事実、IDC Japan社の調査でも仮想化環境において「データ量の増大」「ストレージI/O性能の向上」「災害対策の強化」「データ保護の強化」が、ストレージ管理の課題の上位4位を占めている(図1)。

 それだけではない。IT予算が限られる中、IT部門にはこうした課題を低コストかつシンプルに解決することが求められている。果たして、これらの悩みを効果的に解決する方法はあるのだろうか。

図1●サーバ仮想化環境でのストレージ管理の課題
図1●サーバ仮想化環境でのストレージ管理の課題
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出典:IDC Japan,2015年3月「Japan Storage Vision 2015:ストレージ市場の変革と企業が取り組むべき課題」(J15480172)
データ利活用の重要性が高まるにつれて、ストレージの運用管理負担も増大。こうした点を解消し、事業に役立つ情報を迅速にユーザーに提供できる仕組みが求められている

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