突如アナウンスされたIEのサポート終了

 あらゆる企業が避けて通れない、OSやアプリケーションのサポート終了問題。2014年4月のWindows XP/Office 2003のサポート終了を経て、現在は2015年7月のWindows Server 2003のサポート終了に向けた準備を進める企業も多いだろう。

 一方、その後に控えるもう1つのサポート終了は、まだあまり知られていない。それが「Internet Explorer(以下、IE)」旧バージョンのサポート終了問題である。

 これまでマイクロソフトは、各Windows OSに対して複数バージョンのIEのサポートを提供してきた。例えばWindows XPであればIE6~8、Windows VistaであればIE7~9、Windows 7であればIE8~11といった具合だ。

 ところが、このサポートポリシーが日本時間の2016年1月13日をもって変更。それ以降、セキュリティ更新プログラムやテクニカルサポートは、各OSで利用できる「最新のIE」のみに提供されることになったのだ(図1)。

図1●Windows OSとIEのサポート終了後の対応状況
図1●Windows OSとIEのサポート終了後の対応状況
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2016年1月13日以降は、Windows VistaではIE9のみ、Windows 7/8.1ではIE11のみがサポート対象となる

 これにより、例えばWindows VistaではIE9、Windows 7とWindows 8.1ではIE11のみがサポート対象となる。多くの企業がWindows 7以降を使っている現在の状況を考えれば、今後はIE11が、サポート対象ブラウザとして使えるほぼ唯一のIEになるという見方もできるだろう。

 過去のサポート終了問題同様、サポート切れのIEを使い続けることは、新たに生まれるウイルスや不正プログラムへの備えを失うことを意味する。すでに期限まで約9カ月。ウイルス感染によるシステム停止、機密情報漏えいや信用失墜といったリスクを回避するためには、この問題に対しても早急に対策を進める必要がある。

 しかし、単に「サポート切れのIEを使わない」といっても、ビジネスの現場でそれを徹底するのは簡単ではない。なぜなら、そこにはIE特有の「ある問題」が、深く関係してくるからだ。

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