仮想化の進展で仮想マシンの乱立が課題に

 サーバー仮想化への取り組みが、急速に広がっている。仮想マシンであれば、物理サーバーのようにサイジングや調達に悩まされることがない上、新規での立ち上げも容易になる。また、少数の物理サーバーに多数の仮想マシンを集約することで、IT投資も効率化できる。

 しかし、一方で注意を払うべき問題もある。それが、増え続ける仮想マシン上のデータを、いかに保護するかという問題だ。

 データの保護には日常的なバックアップが欠かせない。しかし仮想マシンは、生成の容易さゆえに、ともすれば無秩序に増殖しがちだ。膨大な数となってしまった仮想マシンを対象に、とりこぼしなくデータバックアップを行うことは決して簡単なことではない(図1)。

図1●仮想環境におけるデータバックアップの課題
図1●仮想環境におけるデータバックアップの課題
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仮想マシンの数とデータ量が増え続けることで、許された時間内にバックアップを取得することが難しくなり、運用も複雑化する傾向にある

 従来のバックアップ手法は、週に1回程度、定期的にフルバックアップを取得し、その間は差分バックアップで補完するのが一般的だ。ユーザーの業務に影響を与えないよう、「フルバックアップは週末」というスケジュールを組んでいるケースも多いだろう。

 しかし、バックアップ対象となる仮想マシンが無秩序に増えると、多数かつ大量のフルバックアップを取得することとなり、週末の限られた時間内では作業が終わらなくなる恐れがある。

 解決策として、フルバックアップのタイミングを仮想マシンごとにずらして行うという方法もあるが、膨大な数となった仮想マシンをすべて網羅するにはパズルのように複雑な運用スケジュールを組む必要がある。これでは担当者の負担増大につながってしまう。

 また、仮想マシンの新規立ち上げがあった場合やvMotionなどで仮想マシンが移動した場合には、いかに見落としを防ぎ、漏れなくバックアップ対象に組み入れるかという問題もでてくる。

 それでは、これらの問題を解決するためには、どのようなデータバックアップの仕組みが有効なのだろうか。

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