注目されるオールフラッシュ製品に「死角」はないか?

 データ量増大によるトランザクション処理の遅延や、サーバー仮想化技術を用いたインフラ統合に伴うI/O負荷増大、デスクトップ仮想化(VDI)におけるログインストームの発生など、近年ストレージに起因する問題が目立つようになってきた。これらの問題の根幹は、これまで多くのストレージで利用されてきたHDDの限界だ。メカニカルな機構を持つが故に、レスポンス時間を短縮しにくいのである。ハイエンドなストレージ製品では搭載するHDDの数を増やし、I/O負荷を多数のHDDに分散することでパフォーマンスを高めてきたが、このアプローチも「必要な容量以上のHDDが必要」になることが多く、コスト効果やスペース効率の観点から見ると、必ずしも最善の解決策とは言い難くなっている。

 この問題を根本的に解決する手段として最近注目度が高まっているのが、フラッシュメモリを活用したオールフラッシュアレイ(以下、AFA)だ。メカニカルな機構を持たず、全ての処理を電気的に行えるフラッシュメモリは、HDDに比べて桁違いに短いレスポンス時間を実現できるからだ。

従来のHDDストレージの課題
従来のHDDストレージの課題
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データ容量やラックスペース、レスポンスといったいくつかの課題に伴ってオールフラッシュアレイが注目されるようになった。

 AFAへの期待度の高さは、ストレージ市場の売上予測にも表れている。

 IDC Japanが昨年発表した調査結果によれば「ハイエンドストレージ」の売上は減少し、それに取って代わるかのように「フラッシュストレージ」の売上が増大、その平均成長率は年率38.2%に達している。

 このようなニーズに対応するため、ベンダー各社も積極的にAFA製品をリリースしている。しかしAFA製品であれば何でもいいというわけではない。実はAFAには、AFAならではの課題も抱えているからだ。

 それではAFA製品導入の落とし穴はどこにあり、どのようなアプローチを行えば導入効果を最大限に引き出せるのか。ITpro Activeの元編集長で、日経BPイノベーションICT研究所上席研究員の平田 昌信が、有力企業2社のキーパーソンに話を聞いた。

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