重要な資産を守るための遠隔バックアップ

 BCP策定に取り組む企業にとって、ITシステムの分散、システムやデータの保全は必須の課題となる。万一の自然災害などの際にも、確実にビジネスを守るための選択とは──。福岡空港ビルディング 代表取締役社長 麻生 渡氏とカブドットコム証券 取締役 代表執行役社長 齋藤 正勝氏が、ビジネスと情報資産の守り方について語り合った。

── 東日本大震災を契機として、多くの企業がBCPの策定に着手しています。カブドットコム証券のBCPに対する考え方、および取り組みについてお聞かせ下さい。

齋藤 当社は今期で創業15周年、東証一部上場10周年を迎え、ネット証券大手5社の1社に数えられるまでに成長しました。当社にとって、お客様の大事な資産を扱うシステムの安定稼働、安全性の確保は、最も重要なテーマとなります。そのため、10年前に東証一部上場を果たした際、上場で得た資金でまず取り組んだのが遠隔バックアップセンターの構築です。

 バックアップ先の選定にあたっては、様々な要件を掲げて検討を行いました。

 まず一つめは、メインのシステムがある東京から最低でも500km以上距離が離れており、かつアクセスがよいこと。また、できれば本州ではない上、東京とは反対の日本海に面した安全な場所であることを希望しました。

 二つめは、東京とは異なる電力会社、つまり東京電力以外の電力会社の管轄エリアであること。いくらシステムが安全に守られていても、安定して電力を供給できなければシステムが停止する可能性があるからです。

右:福岡空港ビルディング株式会社 代表取締役社長 麻生 渡氏<br /> 左:カブドットコム証券株式会社 取締役 代表執行役社長 齋藤 正勝氏
右:福岡空港ビルディング株式会社 代表取締役社長 麻生 渡氏
左:カブドットコム証券株式会社 取締役 代表執行役社長 齋藤 正勝氏

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。