大きなリスクが潜む新サーバーへの移行
いよいよ2015年7月15日に迫った「Windows Server 2003」のサポート終了。しかし今現在、国内のシステムでは、まだ約25万台のサーバーがWindows Server 2003で稼働していると言われている。Windows Server 2003に関しては、これまで「Windows Server 2008」、「Windows Server 2012」と2回のバージョンアップのチャンスがあった。それにも関わらず、これだけの数のサーバーがまだ移行されていないのには理由がある。
それが「ソフトウェアの縛り」の問題だ。サーバー上で使用している各種ソフトウェアがOSのバージョンアップに対応できないため、ハードウェアの保守を延長しながら古いOS上で動かし続けている。そんな企業が相当数、存在しているのである。なかには「提供ベンダーがすでに存在しない」などの理由でバージョンアップを断念せざるを得なかった企業もあるだろう。
そういった企業にとっても、サポート終了が迫る今、Windows Server 2003からの脱却は不可避の問題となっている。だが、長期間、使い続けたWindows Server 2003の移行は、新しいバージョンのWindows Serverからの移行以上に大きなリスクが待ち構えているのだ。
まず、稼働しているソフトウェアが古いため、ベンダーが提供する移行サポートツールの対象外となっている可能性がある。そうした場合には、手作業による移行をせざるを得ないが、ヒューマンエラーによる作業漏れや失敗などの危険を考慮しなければならない。手組み開発したソフトウェアでは、当時の担当者が退職しているなどして検証が難しく、トラブルにつながるケースもあるだろう。
またサーバーの老朽化によって、ハードウェアも故障しやすい状態になっていることを考えなければならない。移行支援ソフトウェアをインストールするなど、普段とは異なる操作を行ったことがきっかけになって、ハードウェア障害を引き起こす危険性もゼロとは言えないのだ。
では、こうしたリスクを回避しながら、Windows Server 2003からの移行を行うには、どんな方法を考えればいいのだろうか。