世界中のデータの半分はテープに保存されている

 ソーシャルメディアやスマートデバイス、IoT(モノのインターネット)の普及によって、デジタルデータは爆発的な増加を続けている。同時に、コンピュータの高性能化、処理技術の高度化などによって、大量データの処理速度も向上。日々生まれ続ける膨大なデータを分析し、企業経営や、サービス・製品開発に活用しようという動きは、ますます活発になっている。

 こうした中、企業にとって新たな課題となっているのが、膨大なデータをどうやって「保存」していくかということだ。現時点では活用できていないデータも、分析手法の進化などによって、近い将来に大きな意味を持つようになるかもしれない。ビッグデータ時代とは言い換えれば、あらゆるデータが価値を持つ可能性のある時代とも言え、データを消去するという選択は許されなくなっているのだ。

 しかし、増え続けるデータをすべて保存し続けるのは容易ではない。保存にかかるコストや保管場所の問題はもちろん、将来にわたって確実にデータを守り続けられる方法を検討する必要があるからだ。

 では、“捨てられないデータ”の保存には、どのような方法が適しているのか――。この問いに対するヒントとなるのが、世界的なトレンドとして「テープストレージの活用が拡大しているという事実」である。実際、米国とカナダにおける調査では、調査対象企業の87%が「テープの使用を継続/拡大する」と回答しているという。さらに、これを裏付けるように、テープの出荷容量は2012年に20エクサバイトに到達。成長率も前年比で12.5%の伸びを示しており、外付けハードディスクを上回る数字となっている。

図1●テープストレージの出荷容量の推移
図1●テープストレージの出荷容量の推移
[画像のクリックで拡大表示]
テープストレージの出荷容量は着実に増え続けており、2012年には、四半期での合計出荷容量が20ヘクサバイトに到達。前年比で12.5%の成長率を示した

 適用範囲も拡大を続けており、非構造化データが急増しているビッグデータ、音声・映像データの大容量化が著しいメディア&エンターテインメント、24時間体制でデータが増大し続けるビデオ監視、電子カルテの長期保存が必要なヘルスケア分野などでは、テープストレージの需要が増大。クラウドサービスのデータ保護にも、オフライン化が可能な「最後の砦」としてテープが活用されているという。「世界中で創出されるデータの半分はテープに保存されている」という調査結果も出ており、この傾向は今後も続くと予想されているのだ。

 なぜ今、テープストレージはこれほどに注目されているのか。そこには大きく4つの理由が存在する。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。