オールフラッシュアレイ導入に“落とし穴”!?

 オールフラッシュアレイ(以下、AFA)の導入が、企業ITの新たなトレンドになりつつある。その背景には、フラッシュストレージ(SSD)の低価格化が進んだことで導入がしやすくなったことと合わせ、AFAの最大の特徴である高速なアクセス速度への期待があると言えるだろう。

 近年、CPUは着実に高速化しているが、ストレージのメインストリームであるHDDは、高密度化・大容量化は進んだものの、ヘッドやディスクの動作が伴うという構造上の理由から、アクセス速度はほとんど改善していない。その結果、CPUと、HDDを搭載したストレージとの間には大きなスピード格差が生じ、それがシステムのパフォーマンスを最大化する上でのボトルネックとなっているのだ。これを解決するものとして、AFAが注目されているのである。

 特に、HDDの性能問題が顕著になるサーバー仮想化環境やデータベースへの適用には、大きな期待が寄せられている。これらの環境ではランダムアクセスが多発するが、HDDでは磁気ヘッドがディスク上の目的の書き込み・読み取りエリアまで移動する「シーク」が多発。このシークタイムによって処理に遅れが生じやすくなる。その点、機械的な稼働部分がないAFAは、HDDに比べて格段に速くランダムアクセスを処理することができるため、この問題を解決する切り札として導入が進んでいるのである。

 しかし実際には、AFAを導入したにも関わらず、想定していたほどの効果が得られていないという企業も多い。中でもよく聞かれるのが、ベンチマークテストでは十分な性能を発揮するにも関わらず、実システム上での性能はそれほどでもないという声だ。また、導入して数カ月でSSD障害が発生したケースが報告されているほか、SSD障害時の交換作業では運用を停止しなければいけない・拡張性がなく新たに別装置を購入しないといけないといった点に悩む企業も存在する。

図1●オールフラッシュアレイを導入したユーザー企業の悩み
図1●オールフラッシュアレイを導入したユーザー企業の悩み
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十分な導入成果を得るには、多くの “落とし穴”を回避しなければならない

 これらの問題は、AFAの導入にあたって注意すべきいくつかのポイントを見過ごしたために引き起こされていることが多い。では、問題発生を回避するには、具体的にどんな点に注意すればよいのだろうか。

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