シティバンク主催のハッカソンで誕生した革新的なアプリ「JoinPay」

 職場の同僚の歓迎会で話題のレストランを予約した。期待を裏切らないおいしさだ。しかし、いざ会計という時にはちょっとしたごたつきがある。部長には多めに払ってもらう。お酒を飲んでいないノンアルコールの人たちは少なめに。もちろん、主賓からは徴収しない。1人ひとりの割り勘の金額を決めるのは大変だ。さらに困るのが集金。お釣りの用意もしておかなければならない――。

 こんな面倒を一気に解決するアプリケーションがシティバンクから提供されている。その名は「JoinPay」。レストランサイトでお店を指定し、1人ひとりの金額を決めたら、それで支払いまで完了する。このアプリは単なるモバイル・アプリではない。銀行の決済系システムとの安全な接続やデータ交換を実現した革新的なものだ。

 JoinPayはシティバンクグループが主催した「Citiモバイル・チャレンジ」というハッカソンで生まれた。ハッカソンとは、一定の期間内で技術とアイデアを競い合うコンテストである。社外から金融ソリューションのアイデアを募るこのハッカソンには64カ国から744件に上る応募があり、その中から100件のアイデアが選抜され、50件のアイデアが実用化へと至っている。しかも、アイデアが形になるまでの期間はわずか2週間。銀行の決済系システムと連動したソリューションであることを考えると驚異的な開発スピードだ。

 こうした開発と運用を支えているのが“ハイブリッド・クラウド”である。ハイブリッド・クラウドというと、プライベート・クラウドとパブリック・クラウドを併用するといった漠然としたイメージしかないかもしれない。しかし、先進ユーザーは革新的なサービスを提供するモバイル・アプリのようなシステムと、従来からある基幹システムを連動させたハイブリッド・クラウド環境で、ビジネスを一変させるサービスを提供している。その背景にあるのは、企業システムの進化とクラウドの世界に広がる標準化の動きだ。

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