ヒューマノイドロボットや自動運転車など、メカトロニクスの最新の成果を応用した自律型製品が注目されている。自動運転車はまだ実験段階にあるが、ヒューマノイドロボットはすでに一般向け販売もスタート。企業の中には、受付での案内役や、集客力の高いプレゼンターとしてイベントに参加させたりしているところもある。
「弊社がアプリ開発をお引き受けしている小型ヒューマノイドロボット『NAO』(製造元:アルデバランロボティクス株式会社)の場合、会話をしている相手がお年寄りや子どもであることが分かると、ゆっくりと話しをしたり、できるだけ簡単な言葉で話したりといった対応をします」
株式会社ナレッジコミュニケーションの奥沢明氏は、最新のヒューマノイドロボットの賢さをこのように説明する。NAOは「機械学習(ML: Machine Learning)」と呼ばれる最新技術を利用して、人間との会話のログデータを基に最適な速度と難易度を自ら決定し、その時々の状況に合わせて適切に振る舞うことができるのだ。
ただし、ヒューマノイドロボットは装置に組み込まれたプログラムだけで機械学習をしているのではない。「NAOに内蔵できるコンピューターには限界があるため、機械学習のメインの処理はNAOとネットワークで接続されたクラウド側で行っています」と奥沢氏。そして、このクラウドサービスとして提供される機械学習は、ロボットプログラミングだけでなく、ビジネスの世界における一般的な予測にも容易に応用できるという。
同社はクラウド型機械学習のソリューションを一般企業向けにも提供中で、「機械学習のことが分かるエキスパートがいない」「機械学習に興味はあるが、具体的な活用テーマが思いつかない」といった企業でも、このソリューションを利用すれば、機械学習をすぐにビジネスに活用できると奥沢氏はアピールする。