株式会社リコー<br>経営革新本部<br>情報インフラ統括部<br>インフラオペレーショングループ<br>シニアスペシャリスト<br>宮腰 寿之 氏
株式会社リコー
経営革新本部
情報インフラ統括部
インフラオペレーショングループ
シニアスペシャリスト
宮腰 寿之 氏
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 リコーはデジタル複合機(MFP)向けのリモート管理サービス「RICOH@Remote」(以下、@Remote)を2004年から展開している。2014年春、蓄積されたデータをサービス力の強化に活用するためのビッグデータ解析への取り組みに着手。そのためのIT基盤として、日本オラクルのアプリケーション・エンジニアド・ストレージシステム「Oracle ZFS Storage ZS3-2」とサーバー「Oracle SPARC T5-2サーバー」の組み合わせを採用した。新システムは、2015年1月に本稼働を開始している。この新たなIT基盤構築を推進したリコーの宮腰寿之氏に日経BPイノベーションICT研究所 上席研究員 星野友彦が構築の狙いやシステム選定の理由を聞いた。

 @Remoteで利用者に提供されるのは、「遠隔保守診断」「カウンター自動検針」「ご使用状況報告書」「トナー自動配送」の4種類のサービス。デジタル複合機やレーザープリンタをインターネット経由でリコーテクニカルセンターに接続すると、センター側のシステムが機器と直接データをやり取りして診断や管理をする仕組みだ(図1)。

図1●リコーのリモート管理サービス「RICOH@Remote」の仕組み
リコーのリモート管理サービス「@Remote」の仕組み
「遠隔保守診断」「カウンター自動検針」「ご使用状況報告書」「トナー自動配送」の4サービスをインターネット経由で提供
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 「電話回線を使ったカウンター自動検針サービスを始めたのが1994年。2013年にはそのインターネット版である@Remoteの運用年数が約10年になり、蓄積されたビッグデータを何かに活用したいという思いが社内で高まっていました」とリコーの宮腰寿之氏は語る。

 もっとも、それまでにも、@Remoteで収集されたデータを解析してビジネスに役立てる取り組みは個別には行われていた。「MFPから集められたデータは、RICOH Gatewayと呼ぶサーバーに蓄積されています。MFPの一部の機種については、このサーバーからデータを取り出して解析するアプリケーションが事業部門ごとに作られていました」(宮腰氏)

 一連の取り組みを全社レベルに拡大して、@Remoteのデータから得られる有用な「知」をリコー全体で活用する――。そうした狙いを掲げたプロジェクト「@Remote情報活用」がリコーの経営革新本部でスタートしたのは、2014年春のことだった。

 宮腰氏のチームは、早速そのためのIT基盤の検討に着手。業務アプリケーションを担当するチームとのディスカッションを通じて、検討すべき課題を2点に絞り込んだ。

 ●ビッグデータを解析するための処理方式
 ●ビッグデータを格納・活用するためのストレージ

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