松永 みき 氏
株式会社エヌジーシー
コーポレートサービス部
業務課
松永 みき 氏

 日商エレクトロニクスの中核グループ会社としてソフトウエア開発なども手掛けるエヌジーシーは、CGやデジタルサイネージなど様々な分野で映像関連のソリューションを提供している映像機器の商社である。同社は今、ワークスタイル変革に向けて、IT環境の全面的な見直しを進めている。

 「いつでも、どこでも、セキュアに業務ができる環境をつくる。その一環として、様々な課題があった既存の情報システムを変えようとしています」と語るのは、エヌジーシーの松永みき氏である。

 エヌジーシーは自社のITを刷新する上で、クラウド化を重要な柱と位置付けている。社内サーバーとプライベートクラウド環境に多様なシステムが混在する現状を徐々に改め、パブリッククラウド環境への集約を進めているところだ。「一部社内サーバーは残りますが、できるだけパブリッククラウドに移行するというのが大きな方向性です」とエヌジーシーの小林真氏は説明する。

 パブリッククラウド化を目指すシステムの中でも最大のものが、社内サーバー環境で動いていたERP「GRANDIT」だった。

小林 真 氏
株式会社エヌジーシー
コーポレートサービス部
業務課
小林 真 氏

 「ERPという重要なシステムのクラウド化は、様々なシステムのクラウド化を経験した上で、最後に実施したかったのが本音です。しかし、基幹データをバックアップするテープストレージ機器の限界、GRANDITを動かしていたOS『Windows Server 2003』のサポート終了(2015年7月)という事情もあって、これがIT変革の最初の取り組みになりました」と小林氏は話す。

 プロジェクトの検討フェーズが始まったのは2014年末ごろ。当時、パブリッククラウド上でERPを運用していた事例はごくわずかだった。しかし、大きな方針が決まった以上、後には引けない。OSのサポート終了というデッドラインも決まっている。失敗が許されないプロジェクトが始まった。

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