業務システムをオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えるなか、システム移行や切り替え時のトラブルが増えている。原因の多くはネットワークの設計や設定にある。全4回の本連載では、AWS、Microsoft Azure、Office 365などのクラウドサービスを例に、実際に発生したトラブルの詳細や、クラウドでのネットワーク接続の特徴や注意点を解説する。
トラブル事例から学ぶクラウドネットワーク設計
目次
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失敗しないOffice 365のつなぎ方
クラウドへのVPN接続はIaaSのほかにも、Office 365に代表されるSaaSでも利用できる。ただし注意すべきポイントはIaaSの場合と大きく異なる。今回はOffice 365を例にとり、SaaS/PaaSでVPN接続を使う際のネットワーク設計を解説する。
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AWSとAzureで学ぶクラウドネットワーク構築の勘所
パブリッククラウドへの接続にインターネットを使わず、VPNによる「閉域接続」を利用するケースが増えている。閉域接続の仕組みは簡単で、クラウドサービス事業者のゲートウエイと通信事業者のゲートウエイを接続する。Microsoft Azureとの接続に使う「ExpressRoute」や、Amazon W…
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賢いクラウドネットワークの選び方
クラウドを導入するときのネットワークはインターネット一択だと思われがちだ。だが、実はインターネット以外にも様々な種類があり、ユーザー企業の環境によってはインターネットよりも適切な選択肢の場合もある。それぞれの違いやメリットなどを分かりやすく紹介する。
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クラウド移行を阻むネットワークの「3つの壁」
クラウド移行の手法で最も分かりやすいものが「リフト&シフト」である。オンプレミスで利用しているシステムをそのままの構成でクラウドに移す手法だ。システム構成を変更せずに済むためコストを最小化できるところがメリットである。だが、オンプレミスと全く同じ構成を踏襲できない部分がある。それはネットワークであ…