NTTドコモとKDDI、ソフトバンクの携帯大手3社は、LoRa方式のLPWAとセルラーLPWAと総称されるLTE派生の複数の方式を提供する方針だ。さらにKDDIは関係が深い京セラコミュニケーションシステム(KCCS)のSigfoxも取り扱う。

主なLPWAの規格とサービス事業者の関係
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 ソフトバンクの加藤周一郎 IoT事業推進本部IoTエコシステム課長は「顧客からすれば通信方式が何かはあまり関係がない。EnOceanやZigBeeなどの通信方式も合わせて、事例によって最適な通信方式を選んで提供する」と話す。「顧客が最も気にするのはコスト。国内外でLPWAの普及が進むなか、各方式のゲートウエイ装置のコストがどの程度下がるかに注目している」(NTTドコモの高橋和彦 IoTビジネス部ビジネス企画担当部長)など、今後の主流を見極めたいとの意向もある。

 そんな状況下で各社が力を入れるのは、カテゴリーM(LTE-M)やNB-IoTといったセルラーLPWAである。これらは既存のLTEの基地局の制御ソフトを更新するだけで全国をカバーエリアにできるため「全国一律でIoTを展開したい顧客に適している」(KDDIの原田圭悟 ビジネスIoT企画部長)。携帯大手3社にとっても、設備投資を効率化しやすい。

 KDDIは2018年3月までにカテゴリーMとNB-IoTに基づくサービスを提供する。同社は2017年8月に沖縄セルラーと那覇市内でカテゴリーMの実証実験を実施。センサーで計測したゴミ箱内のゴミの量をLPWAでクラウドサーバーに伝送した。カテゴリーMにはデータの再送回数を通常より増やす「カバレッジ拡張モード」があり、これを使うとLTEでは圏外だった地下駐車場などでもLPWAが利用可能になる。その半面、電波が飛びすぎると近隣の基地局と干渉する恐れもある。「実証実験では商用化に備え、実際に干渉が出ていないかなどを検証した」(KDDIの松ヶ谷篤史 技術企画部システム戦略グループリーダー)。

KDDIの実証実験の様子
(出所:KDDI)
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 NTTドコモとソフトバンクはカテゴリーMとNB-IoTの商用サービス開始時期を明言していないが、「他社が展開するサービスは当社も当然展開したい」(ソフトバンクの朝倉淳子 IoT事業推進本部プロジェクト管理課長)といい、KDDIと近いタイミングで商用サービスを展開するとみられる。

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