基幹系システムなど守りのITを担う「第1のIT部門」と、攻めのITを担う「第2のIT部門」。2つのIT部門を独立させたままにする企業はまだまだ多い。統合はしないまでも、IoTの時代を生き抜くには密接な連携が不可欠だ。SOMPOホールディングスと三井物産は互いの機能を補完する「仮想統合」の道を選んだ。

 SOMPOホールディングスは1年半前に第2のIT部門にあたるデジタル戦略部を設立した。デジタル戦略部の主な役割は新サービスや新ビジネスを狙った調査と研究だ。新サービスのPoCを進め、投資対効果を見極める。最新技術やビジネスモデルを取り込む目利きの役割も果たす。

 デジタル戦略部を統括する楢崎浩一グループCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)常務執行役員は、かつてシリコンバレーで様々なIT関連の企業立ち上げや経営に携わってきた人物。2016年5月にCDOに就任した。

 デジタル戦略部の太田順也課長は「社内のメンバーは『保険頭』だからデジタル戦略を推進するのは無理だ、と言われたものだ」と振り返る。「保険頭」とは、従来の保険会社としての常識にとらわれがちな社員を指すという。同社は既存の商品やビジネスモデルの考え方を打ち破るために、楢崎常務執行役員をはじめITの知見を持った人材を外部から雇った。

 デジタル戦略部の前身はSOMPOホールディングスグループの損害保険ジャパン日本興亜が2014年4月に経営企画部内に設立したICT企画グループである。損害保険ジャパン日本興亜は第1のIT部門であるIT企画部とは別に、新ビジネスや新サービスの研究・開発を試行する別部隊を設けた。

 ICT企画グループの設立当初の人員は5人だった。2015年4月には役割と体制を強化し、業務企画室に昇格。人員も8人に増やした。

 2016年4月には業務企画室の名称をデジタル戦略部に変更し、持ち株会社であるSOMPOホールディングスとの兼務体制にした。人員も2017年9月時点で約40人と増やした。グループの事業会社の1部門ではなくSOMPOホールディングスの管轄に格上げした狙いについて、デジタル戦略部の太田課長は「全グループでプロジェクトを推進できるようにするため」と説明する。

次ページ以降はITpro Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。