できるだけサッサと終わらせて、本業にかける時間を増やしたい――。経費精算業務を合理化したいというニーズの高まりに合わせ、それを解決する手段が増えている。できるところから着手してみてはいかがだろう。

即効薬(3) データ入力の手間を省く

 約100人の社員が毎月、経費精算に合計80時間をかけていたのを18時間まで約8割減らしたのが収益用不動産仲介の武蔵コーポレーション(さいたま市)だ。2017年6月、米コンカーの日本法人が提供する経費精算クラウドサービス「Concur Expense Standard」を導入した効果だ。

 武蔵コーポレーションで特に問題になっていたのが、社員の半数を占める営業担当者の経費精算の手間だった。電車などを使って1日に数十件の訪問先を回り、月末に100件以上の交通費の明細を1件ずつ経費精算システムに手入力していたのだ。

図 武蔵コーポレーションがコンカー日本法人の経費精算クラウド「Concur Expense Standard」を活用する様子
交通費精算の手間を全社で削減(写真提供:武蔵コーポレーション)
[画像のクリックで拡大表示]

 しかも「入力ミスが多かったので入力者本人に加え別の営業担当者にもダブルチェックさせていた」(志田宏樹財務・会計部部長)。本業の営業に専念するためにConcurを導入した。

 同社の場合、利用料は月約7万円。志田部長らの試算によれば削減できる作業を人件費に換算すると月約4万円を削減できるという。実質月3万円の費用負担で100人が仕事のムダから解放された格好だ。

 志田部長らが魅力に感じたのは交通系ICカードとの連携機能だ。オフィスに設置したICカードリーダーにICカードをかざすだけで、乗降データを社員の経費申請画面に自動反映できる。データの手入力やダブルチェックの手間を撲滅できた」(志田部長)。

 営業担当者の上司や財務部門の仕事も減った。上司は外出先でもスマホで経費申請を承認できるようになった。従来は紙ベースの申請だったので出社時に承認する必要があった。

 申請内容を最終チェックする財務部門の担当者は月5000件以上の交通費の確認に追われていた。Concur導入後はICカードのデータがそのまま反映されているのでチェック作業がほとんど必要なくなった。

 Concur ExpenseはICカードの連携だけでなく、タクシーの利用履歴も自動で取り込める。配車アプリ「全国タクシー」やライドシェアサービスの「Uber」と連携しているため、ネット決済すると電子領収書がConcurに自動で送られるのだ。

次ページ以降はITpro Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。